学校法人明星学園 浦和学院高等学校様

高大連携の交流授業にeポートフォリオサービスを導入
ICTを活用したアクティブラーニングを実現

 

学校法人明星学園 浦和学院高等学校では、女子栄養大学との交流授業において、日本事務器のeポートフォリオサービス「Pholly」を導入しました。2017年3月6日に、基礎保健医療の授業の一環として実施された、Phollyを活用した交流授業を紹介するとともに、Phollyの採用経緯、メリットについて、両校の先生に話をお聞きしました。

学校概要

学校法人明星学園 浦和学院高等学校

1978年設立の私立高等学校。建学の精神は「吾道一貫」。インターハイなど全国レベルで活躍する部活動も多く、スポーツ強豪校として有名。学業にも力を入れており、生徒一人ひとりの将来に合わせた指導を行うため、 生徒の志望・特性にあわせた類型・コース制を採用しています。

学校法人 香川栄養学園 女子栄養大学

1933年に「家庭食養研究会」として発足し、1940年に「女子栄養学園」に改称。建学以来、食と健康をテーマに、栄養学と保健学の教育と研究に力を注いでおり、多くの管理栄養士、栄養士、臨床検査技師、養護教諭、家庭科教諭、栄養教諭などの人材を育成。日本人の健康の維持・増進に貢献しています。

ポイント

  • eポートフォリオを活用したアクティブラーニングを実現
  • グループワーク機能で、グループや教室全体での学習にも活用
  • レポートの一括管理が可能で、提出物の管理工数を低減

高大連携、ICT活用により「食育」に取り組む

 埼玉県さいたま市の浦和学院高等学校では、高等学校と大学の連携により生徒一人ひとりの能力をさらに伸ばすための「高大連携」に積極的に取り組んでいます。そのひとつが、女子栄養大学との高大連携です。
 浦和学院高等学校 健康と安全推進部 栄養指導主幹の竹田 美保先生は、「生徒の健康の基本は“食”です。健康でなければ勉強も運動もできません。女子栄養大学との高大連携により、女子栄養大学への訪問やテーブルマナー講習会などの交流授業を実施しています」と話します。

学校法人明星学園 浦和学院高等学校
健康と安全推進部
栄養指導主幹 竹田 美保氏

 

学校法人 香川栄養学園 女子栄養大学
健康情報科学研究室
教授 藤倉 純子氏

 浦和学院高等学校との高大連携で食育授業に取り組む、女子栄養大学 教授の藤倉 純子先生は、「その他にも年に数回、浦和学院の保健医療コースの生徒たちに、ICTを活用したアクティブラーニングの授業を行っています。タブレットを用いた遠隔交流授業や、グループワーキングなども取り入れています」と交流授業について説明します。

 こうしたタブレットを活用したICT教育のために導入されたのが、日本事務器のクラウド型eポートフォリオサービス「Pholly(フォリー)」です。Phollyは、レポート管理と学習データ蓄積に特化した、学修成果物を保存・共有できるWebサービスです。

Phollyとタブレットを活用してレポートを作成

 浦和学院高等学校では、修学旅行で訪れる国を生徒が選択する、選択制修学旅行の仕組みを取り入れており、2016年度は、オーストラリア、アメリカ、シンガポール・マレーシアの3つの地域へ修学旅行が実施されました。

 保健医療コースでは、修学旅行で訪問した各国での食事についての見識を深めるため、女子栄養大学との交流授業を実施。この授業の目的について竹田先生は、「外国での食生活を体験することはなかなかできるものではありません。生徒たちに、日本と外国との食文化の違いや、それぞれの良いところに気づいてもらうことが目的です」と話します。藤倉先生も、「食事は、単に栄養を摂るというだけでなく、コミュニケーションの場でもあります。ステイ先のホストファミリーとコミュニケーションを取りながら食事してもらうことで、さまざまなスキルを学んでほしいという目的もあります」と言います。

 

 授業はまず修学旅行先から始まります。生徒たちは、修学旅行先での食事や名物料理などを、各自の携帯電話やスマートフォンで撮影。あわせて、料理で使われている材料や調味料について質問するなど、海外の方とのコミュニケーションも取ってきています。

 撮影した写真は、携帯電話やスマートフォンからPhollyにアップロード。修学旅行から戻った生徒たちは、アップロードした写真をPhollyからタブレットにダウンロードし、タブレットにインストールされた文章作成アプリで各自レポートを作成します。料理写真に加え、味や材料などの解説、感想もレポートにし、Phollyの「レポート」機能を使って提出します。

「グループボード(Chat)」機能でリアルタイムにコメントを表示

 2017年3月6日、これらをもとにグループワークの授業が実施されました。この授業では、生徒たちが訪問国別に11のグループに分かれて、各自のレポートをもとに1つのプレゼンテーション用資料を作成します。作成した資料は、Phollyの「グループファイル」機能を活用して、グループの生徒で共有し、各グループの代表者がタブレットを使って、外国の食事に関する感想や、日本と外国の食文化の違いについて発表を行いました。

 発表中、他の生徒たちはPhollyの「グループボード(Chat)」機能を使って感想をリアルタイムでコメントすることもできます。グループボードには「おいしそう」「日本の食事よりも量が多い」など、さまざまな感想がリアルタイムで表示されていました。

 授業の最後には藤倉先生から、「訪問先により、国によって量や味、色など、日本の食文化とのさまざまな違いを実感してもらえたと思います。これからも、日々の食事をよく考えて、食についての勉強を続けてください」とまとめの話がありました。なお、生徒は授業後に、今回の交流授業の感想をPhollyの「レポート」機能を使って提出することになっています。

 

(写真右上、左上)グループワークの様子。各自タブレットで作成したレポートをもとに、班ごとでプレゼンテーション用の資料を作成。(写真下)プレゼンテーションでは、班ごとに代表者が成果を発表。右のスクリーンに資料を映し、左のスクリーンでは、Phollyの「グループボード(Chat)」機能を使い、発表に対する生徒のコメントがリアルタイムで表示されていました。

レポート管理機能も評価、今後もさらなる活用を続ける

 藤倉先生がPhollyと最初に出会ったのは、教育IT関係のイベントでした。「ドラッグ&ドロップで簡単に操作ができますし、クラウドサービスとして利用できるのが良いと感じました」とその印象を話します。ブースで日本事務器からの説明も受け、その後は実際に浦和学院高等学校でも試用を行った上で、採用を決定しました。

 「他のeポートフォリオサービスも検討していましたが、Phollyのグループワーク機能は授業で役立つと考えました。生徒個人の学習はもちろん、グループ、教室全体での学習、アクティブラーニングに使えるのは、Phollyの大きなメリットです」と藤倉先生は話します。今回の修学旅行の件も含め、Phollyはすでにグループワークのツールとして何度も活用されています。

 Phollyの提出物管理機能についても、「レポートを一括管理できるのはとても便利です」と竹田先生は高く評価しています。

 今後も浦和学院高等学校 保健医療コースでは、女子栄養大学との交流授業を続け、タブレットやPhollyを活用して、食育を学んでいきます。

 竹田先生は、「新しいテーマを考えつつ、授業内容もバージョンアップしていきます。藤倉先生とお話ししながら、他の学年での活用も検討していきたいですね」と今後の展望を語ってくれました。

※ 取材日時 2017年3月
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。