学校法人 頌栄保育学院 頌栄短期大学様

コロナ禍で直面した授業のオンライン移行
難局突破の陰にクラウド型授業支援システム
「Pholly」


学校法人 頌栄保育学院 頌栄短期大学では、2020年4月、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発出により、授業のオンライン移行に急ぎ対応することになりました。同学はGW返上でクラウド型授業支援システムの導入を検討。無料モニターで利用開始した後、シンプルでわかりやすい「Pholly」の導入を決定しました。

お客様プロフィール

教育宣教師 アニー・L・ハウによって創設された、キリスト教精神による現存する日本最古の保育者養成教育機関です。その歴史は133年におよび、これまでに約9,000人の保育者を全国各地の保育現場に送り出しました。緑豊かなキャンパスは教員と学生がコミュニケーションを取りやすいよう設計され、同じ敷地内には幼稚園も併設されています。早くから男子にも門戸を開いており、常に保育や子どもたちを身近に感じられることも大きな特色となっています。

ポイント

  • 緊急事態宣言で求められた授業のオンライン化を無料モニターで実現
  • 高セキュリティ、スマホ利用可能で、学生が安全かつ敷居低く利用できる環境を提供
  • 対面授業全面再開後も、教員と学生を橋渡しする基盤としてPhollyが浸透

緊急事態宣言で急遽求められた授業のオンライン移行

2020年3月、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本政府は全国に緊急事態宣言を発出しました。大学には授業のオンライン移行が要請され、頌栄短期大学も例外ではありませんでした。

授業をオンライン化するには、教員と学生の間を橋渡しする授業支援システムが必要です。保育学の分野は実習を重視することもあって、情報教育は気にかけていたものの、これまでは対面授業中心で教育を進めてきました。そのため、オンライン移行といっても急には切り替えられません。しかし、学生の学びを止めるわけにはいきません。当初は各科目で課題プリントを作成、1学年約100名、全200名分の“課題パック”を用意し、まとめて郵送するといった労力のかかる次善策も実施したといいます。

その一方で、教務部の教職員が連携し、授業支援システムの選定を進めていきました。まず要件に挙げたのは、クラウド型であることです。大学側でシステム管理を行うのは難しいと考えたからです。また、事前に計画された案件ではなかったため、予算も潤沢ではありません。しかしながら、学生の教育機会を考えると導入は一刻を争います。選定チームは、休暇返上で製品の絞りこみを行いました。

無料モニター、シンプルさ、セキュリティで「Pholly」を採用

頌栄短期大学
関田 良 氏

そうした中、有力候補として浮上したのが、日本事務器が販売するコミュニケーション型授業支援システム「Pholly(フォリー)」です。同学はこれまでも、日本事務器から大学図書館情報システム「ネオシリウス・クラウド」や、学園トータル情報システム「キャンパスプラン」などを導入しており、提供元としての信頼を寄せていました。比較対象として、クラウドベンダーの文教向けサービスなども検討した結果、Phollyの採用を決定します。その理由を、教授 関田 良氏は次のように語ります。

「一番大きかったのは、無料モニターで始められるという点でした。半年間または一年間、モニター利用したうえで評価して有償版に移行できるというのは、システム費を予算化していなかった本学にとって、ほんとうに神様からのギフトのようでした。また、画面などもシンプルでわかりやすい構成になっており、単科の短期大学で活用するのにちょうどいい規模感だったことも選定ポイントになりました」

頌栄短期大学
渡邊 恵梨佳 氏

一方、専任講師 渡邊 恵梨佳氏は、次のように補足する。「選定時、かなり議論になったのがセキュリティ面でした。本学は学生一人ひとりにメールアドレスを発行していないため、利用者のメールアドレスが必要な場合、学生個人のものを使用することになります。個人情報保護の観点からそれは避けたいと思っていたのですが、Phollyならその必要がなく、ファイルの保管もPholly上で完結できるので、これなら安心できると思いました」

もう1つ評価されたのは、学生側はスマートフォンだけでも利用が可能だったことです。2020年当時はまだ、学生が必ずしもPCを所有しているとは限りませんでした。しかし、スマートフォンの所有率は非常に高かったため、Phollyであれば授業のオンライン移行が全学生に比較的平等に可能であると判断されました。

演習授業の動画化、学生サポート、情報共有に活躍したPholly

実技や演習授業が多いという保育学。Phollyはどのように活用されたのでしょうか。たとえば、音楽では教員がピアノ課題曲の演奏を動画にしてアップロード。学生はそれを手本にして自宅で練習します。何度も見返せる上に、学校の練習室で弾くのと違って人に聞かれずにすむ点が好評だったといいます。また逆に学生が自分の演奏動画をアップロードし、先生にアドバイスをもらうことも可能でした。

また、課題提出がデータでつかめるようになったことでわかったことがある、と関田氏は語ります。「学生のスケジュール管理能力はさまざまです。自己管理がもともと円滑にできる学生にとってオンライン授業は主体的に生活をデザインできることにつながる方法となる一方、スケジュール管理がうまくいかないと、自宅で授業を受けて理解し、課題を提出することが負担になってしまいます。次第にオンライン授業が苦手な学生がいることがデータで見えてきたので、課題の提出時間や提出状況を見ながら『大丈夫?』と声をかけサポートに入るようにしました」

頌栄短期大学
山中 早苗 氏

学生の提出物は、科目を越えて教員間で共有されているそうです。准教授 山中 早苗氏は、こう語ります。

「小さな大学なので、学生一人ひとりの活動を把握して、指導につなげることができます。複数の教員が受け持つ科目では、Pholly上で学生の成果を共有することができ、一人ひとりの学びを多角的に評価するのに役立っています。また、実習に参加する前の準備として重要なのが、学生が保育をどのように進めていくかを記載する指導計画の作成です。それを担当教員との間でやりとりしながら完成度を上げていくのですが、Phollyがあることで、対面と同じように長い時間をかけてやりとりすることができました」

このように頌栄短期大学では、Pholly導入で、“課題パック”の郵送といった労力のかかる仕事からも解放され、時機を逸することなく授業のオンライン移行を実現しました。これにより、単位認定に足る高い品質の授業を維持することができています。その陰では、学びが滞らないよう日本事務器が迅速かつ的確なサポートを提供し続けました。

現在は対面授業が全面再開されていますが、Phollyは教員と学生の間に根づいています。「たとえば授業に関する質問や感想も、Phollyを活用しています。これからは、アンケート機能を授業中に使い、送られてきたデータを即時にグラフ化する機能があると、リアルタイムコミュニケーションのツールとしても使っていけるのではないかと思っています」渡邊氏は今後の展望をこのように語ります。

キリスト教精神のもと、豊かなこころを持つ保育のプロを育成する頌栄短期大学、その学びの場を側面でPhollyが支援しています。

 

※ 取材日程 2022年5月17日
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。