フェリス女学院大学様

「ネオシリウス」から「ネオシリウス・クラウド」で15年。
選び続ける理由は、圧倒的な製品・サービス知識とサポート力。

フェリス女学院大学では、既存図書館情報システムの市場撤退を受け、新たなシステム選定を行った結果、2009年「ネオシリウス」の導入を決定しました。その後も継続利用し、2018年には「ネオシリウス・クラウド」へ移行します。長く使い続ける背景には、製品・サービスを熟知した日本事務器のナレッジと手厚いサポートへの信頼がありました。

お客様プロフィール

フェリス女学院大学 様

フェリス女学院大学は、1870年(明治3年)にアメリカ改革派教会から派遣された宣教師メアリー・E.キダー(1834-1910)により創設された日本で最も古い近代的女子教育機関です。横浜を拠点に「For Others」という理念のもと、自立し、他者と共生できる女性の育成をめざしています。大学においてはグローバル教養学部が開設され、グローバル化がもたらす社会課題の解決に当事者として貢献できる実践力を養う教育に注力しています。

ポイント

  • クラウド移行で定期的なシステム更新前の時間と負荷のかかる調査活動から完全解放
  • 定期的な自動バージョンアップで、労力や追加コストなしに最新バージョンを享受
  • 営業からサポートまで組織を挙げた支援体制でスムーズな図書館運営に寄与

キリスト教精神に基づく教育で、社会に貢献できる自立した女性を育成

日本で最も歴史ある近代的女子教育機関として知られているフェリス女学院は、1870年の創立以来、キリスト教精神に基づく教育を提供し、社会に貢献できる自立した女性の育成を進めてきました。大学の理念として「For Others」を掲げ、横浜を拠点に、緑豊かで落ち着いた佇まいのキャンパスでは、学生が他者との共生を学びながら、豊かな人間性と専門知識を兼ね備えた人物へと成長できるような環境を整えています。

そうした環境を形成している施設の一つが、附属図書館です。特に、緑園キャンパスにある緑園本館は、入館するやグランドピアノが目に入る瀟洒なインテリアが印象的で、その一方で一角には畳の縁台が設置されており、くつろいだ姿勢で読書できる親しみやすさも備えています。テーマに沿って選書した本の企画展示に力を入れていることや、「読書運動プロジェクト」が展開されていることも大きな特長です。2002年から始まった本プロジェクトは、学生メンバーが主体となり、本の展示、大学祭での館内イベント、朗読会など、読書の魅力を届ける活動を行っています。

同附属図書館における図書館システムの導入は、1991年と早い時期に始まりました。大学トータルシステムの一環として導入したものでしたが、2004年、図書館業務の効率化及び利用者サービスの向上を期して別途システム選定を行います。このとき、「ネオシリウス」も候補に上ったのですが、システムの規模感や予算面から選定には至りませんでした。しかし、そこで導入した製品の開発元が市場撤退を決めたため、次のシステム更新時には新たに選定を行うことになりました。

フェリス女学院大学様の附属図書館。学生が読書しやすい環境が整っている

製品サポート力を評価し、2009年より「ネオシリウス」シリーズを導入

フェリス女学院大学
附属図書館事務室 事務室長補佐
金沢 美樹 氏

2009年、複数の製品の比較検討を経て、最終的に選ばれたのが日本事務器の大学図書館情報システム 「ネオシリウス」でした。フェリス女学院大学 附属図書館事務室 事務室長補佐 金沢 美樹氏は、選定の理由を次のように語ります。

「システムそのものは、すでに成熟期に入っていることもあって、その機能に大きな優劣はつけることはできませんでした。重視したのは、営業担当者の業務・製品知識です。図書館情報システムというのは、導入すると長く使う傾向にあり、本学では、言語センターや歴史資料館でも利用するため、メーカーがその製品をどう支えているかが非常に重要です。質問に答えられなかったり、回答の内容が実は違っていた、ということがあると、こちらも不安になりますし、ずっとつきあっていくのは困難です。その点、日本事務器は営業担当者の皆さんがしっかりしていて、誰に何を聞いてもすぐに回答が返ってくるため、製品に対しての思いを感じました。そこに魅了され、会社の力の大きさも感じました」

また、サポートサービスとして「シリウスサポートセンター」が存在したことも大きなポイントとのことでした。「質問が生じたらいつでも気軽に問い合わせる窓口があることは、運用していく上で安心材料でした」と金沢氏は語ります。さらに、附属図書館の立場に立って価格競争力という点で柔軟に対応できたことも導入を後押ししました。

ネオシリウスの採用理由について語る金沢氏

ここから同学はシステム更新のタイミングのたびに「ネオシリウス」を継続利用し、2019年にはSaaS型の図書館システムである「ネオシリウス・クラウド」へ移行しました。SaaSを採用した理由は、大きく3点あります。1点目は、同学の情報システム全体でクラウド移行の気運が醸成されていたことです。2点目は、長期的な視点で考えると、オンプレミスシステムよりSaaSの方が運用コストを低減でき、大学側の理解を得やすかったことです。3点目は、定期的なシステム更新の負荷から解放されることでした。オンプレミスシステムを導入しているかぎりは、どうしてもサーバ等のハードウェアの保守期限が存在します。そのためシステムの変更を望んでいない場合であっても、定期的にシステム更新が発生し、その都度、時間と負荷のかかるシステム調査、システム比較業務を行っておりました。SaaS版を選択することでその点からは解放されます。それまではシステム更新のたびに候補製品あたり3~4社の導入事例を詳細に視察するため、それぞれのシステムを導入している他の大学様を訪ねることも行っておりました。また、訪ねればレポートも作成しなければならず、最終的に10数本のレポートを提出することになります。クラウドへ移行すれば、定期的なシステム更新という概念はなくなります。これは本業で多忙な図書館事務室にとって、大きなメリットでした。

「ネオシリウス・クラウド」により労力や追加コストなく図書館業務を維持

クラウド移行自体もスムーズに進み、「特に苦労した覚えはない」と金沢氏は振り返ります。「ネオシリウス・クラウド」導入により、上述した調査活動から解放されたのを始めとして、図書館事務室がシステム管理に追われることはなくなりました。また、年1~2回のペースでバージョンアップが提供されるため、常に新しい機能を享受することができます。たとえば、国立情報学研究所(NII)が提供する目録所在情報システムの一つであるCAT2020やNCR2018の対応についても、事務室側で労力や追加コストをかけることなく対応を完了することができました。

機能面で、金沢氏が特に気に入っているのは予算管理だといいます。

「蔵書の受け入れが毎日生じる当館としては、予算執行がリアルタイムで閲覧できることは非常に重要です。『ネオシリウス・クラウド』は、受け入れを行ったらすぐに予算の残高に反映されるため、円滑に業務を進めるのに役立っています」

また、日本事務器の技術的なサポートや情報提供の質も評価しています。

「『ネオシリウス・クラウド』になってWebサポートをよく利用しますが、いつまでに返事が欲しいと希望する期限つきで質問を投げかけると、必ずその日までに途中経過ではなく最終回答が返ってきます。また、機能上簡単に解決できない問題であっても、『こうすれば可能です』と代案を示してくれたり、常に提案してくれる姿勢に満足しています」

今後、附属図書館では、学科別データベースのタイトルリスト作成やシラバスと連動した図書館利用促進などに力を入れていく予定です。「学生たちにとってより居心地の良い、役に立つ場所にしていきたいです」と金沢氏。そして、その将来の検討の中には、日本事務器の文献レビューアプリ「BOOK MARRY(ブックマリー)」も含まれています。これは、学内限定で本の評価を書きこむことができるアプリです。ユーザー会の事例発表で興味を持ったとのことですが、同学では学生から寄せられるブックレビューが驚くほど巧みなのに気づいていたため、導入した場合、有効に活用できるのでは、と金沢氏は期待を寄せています。社会がグローバル化する中、そこで活躍し、リーダーシップを発揮できる女性を輩出しているフェリス女学院大学に選ばれた大学図書館情報システムは、「ネオシリウス・クラウド」でした。

附属図書館では、学生たちにとってより居心地の良い、役に立つ場所にするための取り組みを行っている

取材にご対応いただいた方

フェリス女学院大学 附属図書館事務室 事務室長補佐 金沢 美樹 氏

※ 取材日時:2025年3月25日
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。