駿河健康ランド 様

「健康ランド、ホテル、フィットネスを合わせて、来場者数は年間60万人におよびます。1か所の受付でスムーズに対応できるよう、『湯~ランド』をベースにシステムを開発してもらいました。」

健康ランドとビジネスホテル(客室417室)を一体化した複合施設を展開している「駿河健康ランド様(以下、駿河健康ランド)では、「湯~ランド」の温浴施設管理の基本機能をベースに、ホテルの予約管理フィットネス会員管理を融合したシステムを導入。10台の受付端末を設置し、健康ランド、ホテル、フィットネスの受付を1か所で処理し、年間約60万人の来場者を迎え入れています。

「株式会社クア・アンド・ホテル 駿河健康ランド」様

所在地:静岡県静岡市 清水区興津東町1234
創業:2002年

ビジネスホテルと健康ランドを融合。各種サウナや岩盤浴の他、露天風呂をはじめとする20種類以上の入浴施設をはじめ、複数の飲食店やリラクゼーションサービス、カラオケルームなど館内施設が充実しており、年間の来場者数は60万人におよびます。2016年には、「日本経営品質賞アセスメント基準」に基づく審査において「経営革新奨励賞」の表彰を受けました。 運営母体である株式会社クア・アンド・ホテル(本社・山梨県)では、駿河健康ランドの他にも山梨県や長野県に3つの健康ランドを運営。新たな施設の開業計画も発表しています。

導入の背景・課題

グループとして事業発展を目指しシステムを刷新

国内で初めてホテル一体型健康ランドというビジネスモデルを展開したと言われているクア・アンド・ホテル。同社が運営する駿河健康ランドでは以前、スクラッチで開発したシステムを利用していました。しかし、信頼性やパフォーマンスなどに課題があり、業務のボトルネックとなりかねない状況が続いたといいます。

【旧システムにおける課題・問題点】

  • システムエラーによりフロント業務に支障が発生
  • 日時更新時にパフォーマンスが低下
  • 操作性に統一性がなく非効率
  • 店舗のデータベースが統合されていない
  • データ量の増加に不安(新店舗展開)
  • 機能変更が困難
  • サポート体制に不安

駿河健康ランド 総支配人 川上 淳一氏

このようなリスクを払拭し、スムーズな受付業務体制を確立すると同時に、従業員にとっても働きやすい環境を実現するためシステムの刷新を決断。社内で横断的に集められたメンバーに加え、外部コンサルタントも招き新システムの導入プロジェクトを発足させました。

「単に旧システムの問題点を解決するだけでなく、グループ全体として、事業の発展に貢献できるシステムを実現することを目指して、新しいシステムの構築に取り組みました」と、総支配人の川上氏は当時の様子を振り返ります。

新システムの選定要件

信頼性、安定性、操作性、拡張性、サポート体制を要件に選定

川上氏の語る「事業の発展に貢献できるシステム」を実現するため、新システムには駿河健康ランドのみならず既存のグループ施設、さらには計画中の新施設においても利用することができる信頼性、安定性、操作性、拡張性が求められました。

機能面では、健康ランドにおける受付や施設内の飲食や物販をキャッシュレスで利用できる仕組みの他、ホテルの予約やフィットネス会員の管理などを1つのシステム、1つのデータベースで利用できることが要件で、RFP(提案依頼書)には細かな画面の動きまで要望が盛り込まれていました。

露天風呂

さらに、選定要件として重要視されたのがベンダーの信頼性やサポート体制です。同グループにはシステムの構築やサポートの専門家がいないので、トラブル発生時の迅速な対応だけでなく、保守運用や操作に関する継続的なサポートは必須でした。

「継続的にサポートを受け、安心してシステムを使い続けることができるよう、ベンダーの信頼性や実績、規模なども選定要件となりました」と、川上氏は語ります。

NJCの提案を採用した理由

利用イメージがしやすい提案内容やNJCの業務理解度を高く評価

新システムにかける期待と意気込みは、選定プロセスにも色濃く反映されています。同プロジェクトが作成したRFPは数十ページにおよび、初回の説明会には約30社のベンダーに声をかけています。

最終的には数社の提案に絞り込まれ、NJCよりも低い金額の見積もりを提示する提案もありましたが、「湯~ランド」を核としたNJCの提案を採用しました。その理由について、川上氏は「提案内容」と「実績・拡張性」「サポート体制」という3つのポイントを挙げています。

【選定理由1】導入後をイメージできる提案内容

他の提案には、ホテルシステムがベースで健康ランドの管理機能がカスタマイズ対応となるものもあり、旧システムと同様のリスクが内在するような提案もあったといいます。

NJCからの提案は、健康ランド向けの機能が一通り網羅されているパッケージシステム「湯~ランド」をベースに、ホテル予約機能やフィットネス会員管理・受付機能を組み合わせたものでした。仕様や操作性が明確で、導入後の利用イメージや運用イメージがしやすかったことが高評価に繋がりました。

【選定理由2】実績と拡張性

「湯~ランド」の導入実績が豊富であることはもちろん、NJCはホテルシステムの実績も豊富なので、自社のビジネスモデルに合わせて継続的に利用・拡張できると判断したといいます。

また、外部のホテル予約システムや既存の会計システムなど、外部システムとの連携に関しても、柔軟な対応が可能であることも選定のポイントとなりました。

【選定理由3】サポート体制

NJCは健康ランド業務とホテル業務、両方の業務に精通しており、安心してサポートを任せられると評価されました。特に、提案時における要望や疑問に対する丁寧かつ迅速な対応や提案力の高さなどから、「プロジェクトマネージメント力の高さに期待するところは大きかった」と川上氏は説明します。

また、協力サポート会社やNJCのサポートネットワークは全国を網羅しており、駿河健康ランドだけでなく他の施設でもオンサイトのサポートが受けられる点もポイントだったといいます(アプリケーションのサポートはオンラインで直接対応しています)。

システム構成イメージ

導入の効果

安心してシステムを利用できることが、何事にも代えがたい重要な効果

新システムは操作性に優れ、可能な範囲で旧システムに操作性を合わせたことから、切り替え時に大きな混乱もなく、10台の端末がフル稼働するピーク時にも安定して稼働しているといいます。

セキュリティ対策やサーバの冗長化など信頼性が担保されており、NJCのサポート体制もしっかりしていることから、「安心して利用できる」「わからないことがあれば、教えてもらえる」「いざというときは、すぐに対応してもらえる」という安心感は、24時間365日休みなく稼働する施設を運営する川上氏や従業員にとって、何事にも代えがたい重要な導入効果だと評価されています。

受付でシステムを操作する様子

また、「各施設において実施した改善策や拡張の横展開が容易だという点など新システムの導入がグループの事業発展にも大きく寄与している」と川上氏は説明します。

導入時の苦労

カスタマイズを最小限に抑えるため時間と手間をかけて機能を検討

システムは順調に稼働しているが、「最終的なシステム仕様の設計、特にカスタマイズが必要な部分に関しては、時間と手間をかけて検討しました」と川上氏は当時の様子を振り返ります。

同プロジェクトチームでは、当初、理想を追求したシステムの仕様をまとめたことから、すべてを実現しようとすると、その分、システムが複雑化してしまい、コスト負担も大きくなってしまうという懸念を抱いていました。そのため、追加機能に関しては、「運用でカバーできないか」「カスタマイズせずに実現する方法がないか」をNJCと徹底的に突き詰め、その結果、本当にカスタマイズが必要な機能に優先順位を付けて、どこまでシステムに組み入れるかを検討したといいます。

「NJCがカスタマイズにかかる費用を機能ごとにメニュー化してくれたので、時間も手間もかかりましたが、対投資費用を見極め、カスタマイズを最小限に抑えながら、現場の要望や管理側の意見を取り入れることができました」と川上氏は語ります。

今後の展開

新施設における利用も計画

駿河健康ランドでは、健康ランドの固定客が多く、ホテル需要も安定していることから来場者数は順調に推移しています。「さらに一般利用客の来場者数を増やすことが現在の一番の目標」だと川上氏は語る。さまざまな施策を立案する上で、柔軟に対応できるシステムの存在は大きいという。

「施設が異なっても、同じオペレーションで対応できるメリットをさらに生かしていきたい」と語る川上氏。新たな施設においても、駿河健康ランドで利用しているシステムを横展開することが計画されており、「使い慣れているスタッフが多く、これまでのノウハウが反映されているシステムで業務を開始できることは、大きなアドバンテージとなるはずです」と期待を寄せている。

※ 取材日時 2017年2月
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。