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【第22回図書館総合展 ポスターセッションGP出展者賞】流通科学大学様

2021.10.19

■学校概要

学校法人中内学園 流通科学大学
1988年4月に流通科学大学を創設。商学部、経済学部、人間社会学部からなる3学部7学科の総合大学です。
建学の理念は「流通を科学的に研究教育することを通じて、世界の平和に貢献し、真に豊かな社会の実現に貢献できる人材を育成する」。
広く人間とその社会及び文化に対する理解を深め、経済学・経営学、特に流通を科学として研究、教授することにより、創造的知性及び応用能力を養い、人類の平和と国際社会の発展に貢献する人材を養成することを目的とされています。
(流通科学大学公式ホームページ大学案内より引用)

学校法人中内学園 流通科学大学 外観

■選定理由

 2020年度図書館総合展は初めての全面オンライン開催だったため、手探りで出展を行っている団体も多かったようです。そんな中、流通科学大学の図書館サークル”Libro”の皆さんはポスターセッションにて「図書館・メディアセンター使い方ガイド」とTV番組風の「オンライン見学会」2つの動画を挙げられておりました。
 これらの動画を拝見し、”Libro”の皆さんが「図書館の魅力を効果的に伝える動画コンテンツ」を作成したり、「学内でのBOOKカフェ」を開催したり、「絵本読み聞かせ」を行うなど、コロナ禍など想定外の逆風もありながら、図書館の利用促進や読書の魅力を楽しく伝える活動を行っていることを知ることができました。
 これらのすばらしい活動に対し、この度「日本事務器賞」を贈呈させていただくこととなりました。

■日本事務器賞授賞式

 2021年7月8日(木)、兵庫県神戸市にある流通科学大学図書館へお邪魔し、賞状と記念品の贈呈を行いました。
 本来、3月に贈呈をさせていただく予定でしたが、緊急事態宣言の発令などにより延長に延長を重ね、11月の図書館総合展開催より8ヶ月越しにようやく贈呈させていただくことができました。
 表彰式には藤井啓吾学長や井上芳郎図書館長、天田英彦学生指導委員長をはじめ、”Libro”の活動の良き理解者でありアドバイザーでもある図書館の中川様と、今回の主役である図書館サークル”Libro”のメンバーに大勢ご参加いただき、図書館総合展当時に部長だった木下巧様からは緊張が見える中にも式中のご挨拶にて喜びの声を伺うことができました。
 授賞式後は、和やかな雰囲気の中で流通科学大学図書館サークル”Libro”の活動について詳しくお話を聞かせていただきました。

賞状と記念品の贈呈

■流通科学大学様のホームページでも受賞について取り上げていただきました。

https://www.umds.ac.jp/210721-2/

■”Libro”とは

 サークル名の”Libro”はスペイン語で「書物」を意味します。
 「ビブリオバトルをしたい!」という学生の想いから、2017年に図書館サークル”Libro”が立ち上げられました。近年は活動コンセプトを「本や図書館に興味を持ってもらうきっかけづくり」に変更。メンバーが増え、現在4年生10名、3年生3名、2年生10名、1年生12名の35名が所属しています。
 主な活動内容としては、学内での「Bookカフェ」や「学生選書リクエスト」などの図書館と協力したイベント企画・運営や、YouTube動画への出演、近隣の幼稚園・保育園での「絵本読み聞かせ」があります。
 「本が好きな人だけの団体になると偏った活動になりがち。いろいろな学部学科・趣味・嗜好の人に積極的に参加してもらい、『図書館』という舞台を楽しみながら活動をしたい。」という思いで”Libro”の運営を行っているのだそう。
 1年生の入部理由は、幼稚園・保育園への読み聞かせに興味を持った学生さんと、イベントの企画・運営に興味を持った学生さんがほぼ半分の割合だったようです。ただ、コロナ禍では幼稚園・保育園での読み聞かせ活動が制限されてしまったため、メンバー募集が大変だったご苦労も伺いました。

■”Libro”と図書館総合展

 

 ”Libro”は、2017年より図書館総合展に参加しています。
 2020年度は全面オンラインでの開催となり、全国どこからでも気軽に参加できることになりました。リアル開催の図書館総合展(例年はパシフィコ横浜での開催)では実際に会場を訪れた人にしか見てもらえないが、オンライン開催であればYouTube動画で発表することにより、遠方の人や幅広い世代の人にアプローチできるという考えもあったそうです。
 2021年の図書館総合展では、図書館の魅力をアピールするポスターや、読み聞かせ活動を紹介するのポスター作成を計画されており、さらにはキャラクターグランプリへの出展も検討されているとのことで、こちらも楽しみです。

■「図書館・メディアセンター利用ガイド」動画について

 

 「図書館・メディアセンター利用ガイド」は、主に新入生向けに図書館とメディアセンターの使い方を説明する動画となっています。
 2019年度の動画は、当時”Libro”内に動画編集の経験者がいなかったこともあり、図書館の職員にサポートを受けながら制作しましたが、2020度版は”Libro”メンバー主体で作成したそうです。
 2020年度版の撮影期間は準備を含み2ヶ月、実際の撮影は2日に分けて実施したとのこと。撮影は、予め作成した図書館・メディアセンターの利用シーンのシナリオを元に、メンバーが演技しながら色々なパターンを撮り、編集段階で利用者目線でどのパターンを使用するか決定するという手順で行われました。中には30テイクも撮影したシーンもあったというのも納得の出来栄えと思いました。
 制作する中では「一番伝えたいことが目立つようにするための、画角の検討」がとても大変だったとのことです。ともすれば堅苦しくなってしまいがちな内容のため、利用者が楽しみながら視聴できる動画になるように気を使いながら編集した、というお話もありました。
 作成した動画は、新入生ガイダンスだけではなく、図書館の入口前でも繰り返し再生されており、流通科学大学の多くの学生さんが目にする映像となっています。内容が面白い上にクラスメートや友人が出演しているため、出演者の顔を覚えて声をかけてくれたり、動画を契機に図書館・メディアセンターに興味を抱いたりした学生さんもいらっしゃったようです。
 実際、図書館の利用者は動画公開前に比べて2割増となり、資料以外の利用目的での来館者も増加。しかも図書館内での禁止事項を行う学生は減少するなど、動画で様々な効果が上がっている、と図書館の中川様が仰っていましたが、私たちNJC社内でも「これはものすごい効果だ」と話題になりました。
 授賞式を開催した2021年7月には、既に2021年度版のガイド動画も完成していました。Youtubeでも公開されていますので、ご興味のある方はぜひ下記をご覧ください。

■2021年度版 図書館・メディアセンター使い方ガイド

https://youtu.be/SudFzn_4y8A

■これからの活動

 

 インタビューの終わりに、”Libro”の皆さんのこれからの活動について伺いました。
 すでに引退をされている4年生から、後輩たちへ「本や図書館という、物や場所にこだわらず、広い地域で新しいことをどんどん実施していってほしい」とのメッセージが送られました。
 1〜3年生が主体となっている現メンバーからも、今まで行ってきた「幼稚園・保育園での読み聞かせ」や「図書館総合展への出展」、「図書館・メディアセンターの使い方ガイドの作成」はもちろん、新たに「商業施設での子供向け読み聞かせ」や、「読み聞かせのためのスキルアップトレーニング(アナウンサーによる読み聞かせ指導など)」を行っていきたい、と意欲的な発言が多数。”Libro”チームの頼もしい姿を見せてくださいました。
 実は、”Libro”の活動は、2021年7月、神戸市西区内での地域課題解決や魅力向上を目的に実施する企画実行に対して、同区から支援される【学生・西区連携まちづくり活動助成】に採択されています。
 「幼稚園で絵本の読み聞かせを行うだけでなく、もう一歩踏み込み、体操や保育補助として園の1日を体験するなど、地域での学びを重ねていき、これからの外部訪問やイベント企画・運営をまちづくり活動としても役立てていきたい」とのことで、活動の幅が飛躍的に広がるのではないかと期待されています。
 なお、過去の活動計画として、他大学の学生サポーターとの協働企画もあったのですが、残念ながらコロナ禍にて実現に至りませんでした。今回のインタビューの中でも「機会があれば近隣だけではなく遠方の学生サポーターとも協働したい」といった意見が多く飛び交い、より良い取り組みや新しいことを実現しようとする、メンバーの意識の高さを感じました。

■授賞式、インタビューを終えて

 ”Libro”が、学内でのイベントだけでなく、幼稚園をはじめとした学外の施設、団体を対象とした活動を積極的に取り組んでいるということを知り、弊社一同とても驚きました。一般的に大学の図書館サポーターがそのような開かれた活動を行っている事例はあまりないのでは、と思いました。
 また、”Libro”メンバーからは「いつも協力してもらっているので、図書館にもっと貢献をしたい」という意見が出る一方、図書館からも「図書館主催のイベントで”Libro”メンバーに協力してもらうことが多くあり、読書のきっかけを作るサークルとしての活動の発展に期待している」とのお話があり、お互いに助け合い発展し合うする関係であることが伝わってきました。
 最後に、”Libro”の活動に対して、他の学生さんから「本を読んで勉強する以外に、もっと気軽に図書館を使ってよいのだと分かった」「“Libro”の活動が楽しそうだから図書館に行ってみたい」「”Libro”によると図書館でスマホの充電ができるらしい」等々の声が挙げられていることを伺い、”Libro”が学生の図書館の利用に対する見えない敷居を下げているのであろうと感じました。新しいサービスであったり新しい設備も図書館の利用増にとっては重要だと思いますが、学生にとって、身近な存在による啓発活動も非常に効果的ということを実感いたしました。

 流通科学大学図書館サークル”Libro”の皆様、貴重なお時間をいただき本当にありがとうございました。

※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。

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