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電子書籍をテーマにしたオンライン・フォーラムを開催〜「電子書籍の今を知る」〜

2021.06.13

2021年3月12日(金)に、「電子書籍の今を知る」というテーマで「ネオシリウス・ユーザー・フォーラム 2021 #1」を開催いたしました。

■オンラインでの開催について

 これまで「ネオシリウス・ユーザー・フォーラム」(以下、 NUF と記述)は、毎年11月のパシフィコ横浜で開催している図書館総合展に合わせ、年に1回開催しておりましたが、今年度より「オンライン開催」、「アーカイブ公開」、「1年に複数回開催」と形を変え、図書館に関わる旬な情報をタイムリーにお届けすることとなりました。記念すべき第1回目は大学図書館においても急速に普及が進みつつある「電子書籍」をメインテーマに設定し、2021年3月12日に開催いたしました。

■基調講演

 「大学における電子書籍の現状と活用法」について専修大学文学部教授、植村八潮様にご講演いただきました。

「大学における電子書籍の現状と活用法」 専修大学文学部教授、植村八潮様

❏出版と電子書籍市場概況について

 2020年度の出版全体の売上は紙と電子合わせ前年増ですが、売上を支えているのは電子書籍市場のコミック部門で、電子書籍売上の8割を牽引しているそうです。
 文化(出版)産業は二重構造になっていて、書籍や学術書は雑誌やコミックなどの売上の裏支えがあった上で今の価格で販売できており、大学図書館で扱うことが多い学術書は学術書の売上だけで出版を保つことは厳しいとのことで、出版業界の現実を改めて伺うことができました。

❏電子書籍の現状と活用法について

 「電子書籍」や「電子図書館サービス」の普及により、本来重点を置きたかったレファレンスなどのサービスに注力できるチャンスであるとのお話もありました。紙書籍で必要だった管理・保管の手間が減ることで、図書館全体の業務が大きく変わるため、図書館全体の予算の組み方も大幅に変わるだろう、との見解を示されていました。

 コロナ禍においては、公共・大学図書館共に「電子書籍」や「電子図書館サービス」の導入が増えたり、導入済みの館でも利活用に問題があった多くの館で改善がみられ、2021年3月時点で電子書籍を利用している自治体は、全体の1割を超えたそうです。

 また大学図書館では授業での利用も進められており、英語の多読授業や医療・看護系教育における臨地実習中の参考図書として活用等が増えているとのことでした。

❏「電子書籍」「電子図書館サービス」のメリット、懸念事項について

  利用者のメリットとして、大学図書館では「非来館で提供できる点」を、公共図書館では「アクセシビリティの改善」を考えているようです。また、図書館においては、「書架スペースの問題からの開放」、「汚・破損、紛失がない」などがメリットとして挙げられていました。

 懸念事項は、「今後コロナ禍が終息したとき利用が減少しないか」、「現時点ではコンテンツが十分でない」、などの意見があるようですが、特に大学向けの学術系コンテンツについては、現在洋書が9割のため、和書についてはまだまだ少ない状況のようです。

❏その他図書館における電子化、オンライン化に関わる情報

 電子化、オンライン化を推し進めるにあたり、国立国会図書館のデジタル資料化、著作権法の一部を改正、図書館資料送信サービスの刷新、読書バリアフリー法の導入など、国として様々な政策や施策が行われていることを最後にまとめていただきました。

 また、今後デジタル教科書の導入が進むことに対し、学校/大学も予め準備をしておかなければいけない、というご説明をいただきました。

■「電子書籍」「電子図書館サービス」を提供しているベンダーからの発表

 ネオシリウスとの親和性の高い電子図書館サービス、電子書籍サービスのご紹介ということで2社よりご発表いただきました。

「クラウド型電子図書館サービス LibrariE」

販売店 株式会社紀伊國屋書店 ICT営業本部電子書籍営業部 簗瀬裕子様
サービス提供元 株式会社日本電子図書館サービス 代表取締役社長 二俣富士雄様

「クラウド型電子図書館サービス LibrariE」 「クラウド型電子図書館サービス LibrariE」

「クラウド型電子図書館サービス LibrariE」

 LibrariEは、国内の教育機関に対し最も多く導入されている電子図書館サービスです。コンテンツは一般書が中心ですが、オプションで各機関で作成した独自資料を登録して閲覧してもらうことが可能だそうです。選書時に、選書担当者が全ページ確認可能という大きなメリットがあります。

「EBSCO eBooks」

EBSCO Information Service Japan株式会社 営業部 部長 古永誠様

「EBSCO eBooks」

「EBSCO eBooks」

 大学にとってはなじみのある電子ジャーナルと同じ感覚で利用でき、国内外で定評のある学術出版社、大学出版局が出版する様々な分野の専門書を取り揃えています。近々、専用の閲覧アプリがリリースされ、更に利便性もあがるとのことでした。

■NJCより「電子書籍」「電子図書館サービス」と「ネオシリウス・クラウド」の連携状況を発表

 NJCからはこれらの「電子書籍」「電子図書館サービス」や「ディスカバリーサービス」と、ネオシリウス・クラウドの連携について現状できることと今後の予定に関して、一部ユーザー事例を交えてご案内させていただきました。この時代の図書館システムとしては「電子コンテンツとの高い親和性」や「紙媒体と電子媒体のシームレスな情報提供」といった機能は必須のものと考えており、現在不十分な部分も積極的に機能強化を図っていく所存です。

■「電子書籍」「電子図書館サービス」の利用についてのネットワーキング

 講演後は、参加者の皆様に複数のグループに分かれてもらい、参加者同士でそれぞれの図書館における電子書籍の導入状況や利用に関する課題について、情報交換をしていただきました。オンライン上での初対面の方同士でのディスカッションとなりましたのでコミュニケーションが難しい面もあるかと危惧していたのですが、思いの外、様々な意見が交わされたとのことで、とても有意義な試みであったと思っています。

 今回のフォーラムを通じて、図書館にとって電子書籍は単なる紙資料の代替ではなく、大きなサービス向上に直結する重要なコンテンツであることを改めて認識しました。私たちが手掛けている図書館システム「ネオシリウス・クラウド」についても、電子書籍との親和性を高めていきたいと思います。

 最後に、次回以降も旬なテーマで図書館の皆様の業務やサービスの参考となるような情報提供の場として「ネオシリウス・ユーザー・フォーラム」を開催していきたいと考えておりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

■概要

名称:ネオシリウス・ユーザー・フォーラム 2021 #1
日時:2021年3月12日(金) 13:30~16:15
開催方式:Zoom によるWebセミナーおよびネットワーキング

第1部 13:30〜15:10 テーマ「電子書籍の今を知る」
基調講演
「大学における電子書籍の利用動向について」
 専修大学 文学部 教授 植村八潮様

電子図書館サービス/電子書籍サービスの最新状況
 株式会社紀伊國屋書店 ICT営業本部電子書籍営業部 簗瀬裕子様
 株式会社日本電子図書館サービス 代表取締役社長 二俣富士雄様
 EBSCO Information Service Japan株式会社 営業部 部長 古永誠様

ネオシリウスの電子図書館サービス拡張について

ネットワーキング
(グループに分かれ、お客様同士で電子書籍の利用状況等について情報交換)

第2部 15:25〜16:15 NJCからご案内
・ネオシリウスのバージョンアップ予定のご案内
・ネオシリウスにおけるSSL証明書のご利用に関して
・新サービスローンチ予定のご案内
・2020年度産学連携企画「オンライン図書館」実施報告 等

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