株式会社ちぼり 様

「たくさんの種類のお菓子を製造しています。販売管理システムの導入で、それぞれのお菓子の稼ぎ高が明確にわかるようになりました。」株式会社ちぼり 経営企画室 IT統括マネージャー 小尾祐一氏

神奈川県に本社を持つ菓子メーカーの老舗ちぼり様では、経営課題解決のためCORE Plus qbic Foodのパッケージを導入、カスタマイズを極力行わずに運用の工夫で業務にマッチさせ、大きな導入効果を上げています。
同社を訪問し、業務課題解決の道筋、最小限のカスタマイズで導入するコツなどについて詳しくお話を伺いました。

ちぼり様~贈答用アソートクッキーでトップシェアの菓子メーカー

プロフィール

ちぼり様の人気商品「チボリーナ」の写真

ちぼり様の人気商品「チボリーナ」

所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町土肥1-15-4
創業 昭和21年1月
資本金 5,000万円
年商 115億円
※平成21年12月
従業員 800名(正社員 男性148名 女性160名)
※平成21年12月
関連会社

製造会社:ちぼりチボー(株)・ちぼりアンナ(株)・ちぼりキネヤ(株)・ちぼりパック(株)

販売会社:(株)カリン・ブルーメ・(株)ボンデリッシュ・(株)エル・マドロン・(株)ちをり・(株)ちぼりチボン・(株)チボリーナ・ (株)グローバル・ガストロ・サービス

貿易会社:(株)リープフラオ

URL http://www.tivolicooky.com/(新しいウインドウが開きます)

― ちぼり様の業態についてお聞かせください。

当社は1946(昭和21)年の創業以来、お菓子の製造・販売を行っています。主力商品は贈答用のアソートクッキー(箱入りの詰め合わせクッキー)で、国内トップのシェアを持っています。季節やテーマに合わせて詰め合わせを企画・開発し、さまざまな販売チャネルに商品を提供しています。商品はすべて国内工場において、品質に気を配りながら多品種少量生産を行っています。

また、効率化のため業務ごとにグループ化(分社化)しています。ちぼり本社の傘下には製造工場が3社、包装工場として1社2工場、販売会社7社、他に原料の輸入や商品の輸出を行う貿易会社が1社あります。

― ちぼり様ではNJCのシステムをどのように活用していますか。

NJCさんのCORE Plus qbic Food販売管理システムを導入し、ちぼり本社、グループ内の販売会社7社、貿易会社の全9社で2007年10月から稼働しています。今回のシステム導入により、これまで抱えていた業務課題を解決する土台が整いました。

お客様から求められる賞味期限管理が大きな課題

― システム導入前にはどのような課題があったのでしょうか。

課題は大きく2つありました。

まず在庫管理の問題です。
ちぼりの経営理念は「おいしいお菓子で、みんなのしあわせを創ります!」です。お客様に鮮度のよいものを提供するため、焼き菓子にもかかわらず、お菓子の製造後45日以上の在庫を持たないという品質方針のもと、一回の生産は月の必要量の1/3以内とする生産方式をとっています。また、お客様の賞味期限に対する考えが厳しくなるなか、年間900種類に及ぶ商品を生産しているため、賞味期限もさまざまになり「納品時の賞味期限までの残り日数」が違うため、出荷期限管理もますます複雑になっています。こうした複雑さは業務効率を落とす上、ミスが発生し、大量の損失を出すリスクも抱えていました。

2つ目は、生産計画の精度です。
生産方式は主に自社商品≒見込み生産、OEM≒受注生産です。半数が見込み生産なので、営業担当などからのマーケット情報を加えた需要予測が大変重要です。マーケット情報を生産担当に伝えるのが遅れると、タイムリーな対応ができずに機会損失を招きかねません。営業と生産の情報共有を強化する必要がありました。

今回のシステム導入の直接のきっかけとなったのは、2006年、創業60周年を機に管理会計として「戦略会計」を全グループ会社に本格的に導入したことです。この取り組みの中心となるのが「利益管理の見直し」でした。

山梨事務所の外観の写真

山梨事務所の外観。併設する工場は焼き菓子、生菓子、ゼリーなどを多品種小ロット体制で製造する。

戦略会計導入を機にシステム刷新を検討

― 利益管理の見直しとは何ですか。

従来の利益管理の方法には、2つの問題がありました。製品原価の計算が「全部原価計算」(固定費と変動費すべての費用を製品に積み上げて計算する方法)であったため、真の利益の把握が難しかったことと、毎月の決算が終了しないと、原価が把握できず、対策が後手に回っていたことです。

そこで、新たに「戦略会計」の概念に沿い、売上から原材料費を引いた粗利を作業時間で割って「時間あたりの稼ぎ高」を算出し、それを利益管理の基準にすることにしました。どの商品がどれだけの利益を出しているのか、あるいは出ていないのかを把握できれば正確な経営判断ができます。さらに月次決算を待たずに日次で「時間あたりの稼ぎ高」を把握することとしました。

この「時間あたりの稼ぎ高」の算出には当時使用していた手組みのシステムでは対応できず、日々の実績データの把握が可能な新たな情報システムが必要になりました。2006年4月のことです。

年末の繁忙期には本格稼働させたいという納期面、そしてコストを抑えたいという2つの理由から、すべてシステムを入れ替えるのではなく、最もネックとなっていた販売管理システムを部分的に導入、なるべくカスタマイズを抑えるため業務と相性のよいパッケージを選定するという方向性が決まりました。何社か検討した後、NJCさんともう一社の2社が残りました。

― CORE Plus qbic Foodを選んだ理由をお聞かせください。

最も大きな理由は、CORE Plus qbic Foodは当社の生産管理システムや会計システムとの連携がとりやすかったことです。また、今回は販売管理のみでしたが、今後は他のシステムも入れて拡張していきたいと考えており、段階的に導入ができるCORE Plus qbic Foodにはその意味でもメリットがありました。

パッケージのままスムーズ導入ができた理由

― 導入はどのように行われましたか。

導入の際は、旧システムと新システムの並行稼働をしながら2ヶ月かけて新システムに切り替えていきました。システム導入の際は、常に既存システムからの切り替えが大きな課題になりますが、今回はCORE Plus qbic Foodのインターフェイスを利用してどちらか片方のシステムを操作すれば販売管理システムが並行稼働できる環境を作ったため、社員にとってテスト用データの2重入力といった負担がなく、不満の声があがることもありませんでした。

― カスタマイズは極力行わずパッケージのまま導入されたとのことですが、業務との適合はいかがでしたか。

業務をパッケージに合わせることに関してはさまざまな工夫をしました。

重要なのは社員に改革の当事者であるという意識を持ってもらうことだと考え、「意識づけ」を行いました。プロジェクトの存在と活動を全社に認知・浸透させるため、プロジェクト名を誰でも直感的に理解できる“スムーズ製販”(通称:スムハン)にし、この名前を随所で意識的に使うようにしました。

関係各部署のキーマンにもプロジェクトに参加してもらい、プロジェクトリーダーには週1回の全体会議で進捗を報告してもらいました。これにより社員の問題意識を共有することができました。

さらに、社員になるべく違和感を感じさせずに導入を行うためには、日報や受注チェックリストなど帳票を従前と大きく変えないことが大きなポイントとなります。
CORE Plus qbic Foodではテーブルが公開され帳票を自社で自由に作れるため、社員の要望にすべて応えることができました。また帳票部分を自社開発したことで、導入費用の圧縮にもつながりました。

導入によって課題は解決したのか

― CORE Plus qbic Foodの導入効果についてお聞かせください。

CORE Plus qbic Foodの導入により、従前の課題についてはほぼ解決の方向で進んでいるだけでなく、大きなコスト削減も実現しています。具体的な効果は以下の5つです。

  1. 事務処理で年間推定、数百万円程度の効果金額を達成したこと。
    直接効果としてEDI化や自動仕訳連携により、事務処理にかかる手数料、切手用紙代など、年間支出が百万円程度削減され、さらに作業時間の短縮化に伴う、作業量の圧縮付加分を推定すると年間数百万円分の効率化が実現できたものと思われます。
  2. 賞味期限の在庫管理がより正確にできるようになったこと。
    商品在庫をロット別・賞味期限別に管理できるため、機会損失や廃棄ロスを減らすための情報が簡単に手に入るようになりました。
    得意先ごとの賞味期限までの残り日数の条件を勘案した自動引当の機能も持っていますので、さらに有効な活用が可能となりました。
    トレーサビリティーに必要なロット別の出荷や在庫のデータ蓄積と検索を行うことができるようになりました。
  3. 生産計画が精密になったこと。
    課題だった生産と販売の情報連携についても大きく進歩しました。CORE Plus qbic Food導入によって営業の先付の受注情報を生産と共有できるようになっただけでなく、 前年対比など過去の売上、受注情報および生産データとのつき合わせによって生産計画が立てやすくなり、精度が向上しています。
  4. 利益の指標化ができるようになったこと。
    商品ごとの「時間あたりの稼ぎ高」が明確になったことに加え、これまでの月次処理から日次処理になり、よりスピーディに売上高や原材料費を捉えることができるようになりました。また、作業効率の低下、異常なロスなどの不測の事態もすぐにわかるため、リアルタイムに対策できるようになりました。
  5. 手間をかけずに販促用出荷ができるようになったこと。
    当社では取引先数百社に対し販売促進の目的で新製品のサンプルをお送りしていますが、この出荷手続きが毎回数時間かかってしまうため、大きな負担になっていました。CORE Plus qbic Food導入後は数分の処理で済むようになり、直接的な利益を生まない手配作業の時間を最低限に抑えることができています。

今後の活用

― 今後の活用についてお聞かせください。

今回導入したのは販売管理システムですが、今後は他システムとの連動を視野に入れ、導入効果を確認しながら、継続して活用していきたいと思います。NJCさんには今後も引き続き厚いサポートを続けていただきつつ、今後のシステムに関して何かよい提案をしていただくことを期待しています。これからもよろしくお願いします。