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医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院 様

 

医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院 様(以下、葛西昌医会病院 様)では、PACS(医療用画像管理システム、Picture Archiving and Communication System)のリニューアルにあたり医療画像クラウドサービス「NOBORI(のぼり)」を採用しました。導入の経緯と成果について詳しくお聞きしました。

お客様プロフィール

1990年に葛西循環器脳神経外科病院として東京都江戸川区に開設。2011年に医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院へと名称を変更した。施設・設備の充実と医療の質の向上を図り、診療科目13科、一般病床数144床の規模で、地域における急性期医療、救急告知病院として地域医療に貢献している。脳神経外科と循環器科における専門性の高い医療技術は医師・医療関係者の間で高く評価されており、紹介入院患者比率も高い水準を誇っている。

左/医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院 理事長 吉田 生馬 氏
右/葛西昌医会病院 放射線科のみなさん(写真提供:葛西昌医会病院)

【導入背景】旧システムのサポート切れを契機にPACSの刷新を検討

当院では、2007年にはじめてPACSを導入しました。旧システムはまだディスク容量に余裕があり、できるだけ長く使いたいという思いもあったのですが、利用を開始してから6年が経過した時点で、メーカーからあと1年で保守サポートを終了すると言われました。

もともと5年を目処にシステムの入れ替えが必要だとは言われており、また、保管する画像数が増えるにつれてデータベースの動きが不安定になることもあったので、PACSの刷新を検討することにしました。

医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院
診療技術部 部長/放射線科 科長
熊田 真幸 氏

NOBORIの導入を検討することになったきっかけを教えてください。

NOBORIを知ったきっかけは日本事務器からの紹介でしたが、以前、理事長からの指示を受けてクラウド型のPACSを調べたことがありました。

その時点では、都度クラウドから画像データをダウンロードする方式では画像の転送速度や処理速度に限界があり、診断の際に大量の画像データや過去の画像データの迅速な処理が必要な当院では、導入が難しいと考えていました。また、小規模でもある程度の容量のサーバを院内に用意しクラウドはどちらかというとバックアップとして運用する方法では、理事長が考えているクラウド化とは趣旨が違っておりました。

しかし、電子カルテやオーダ情報と連携し、「先回りしてデータセンターから必要な画像データを専用アプライアンスへと取得しておく」というNOBORI独自の仕組みが本当に実現できるのであれば、処理速度や表示速度の問題は解消され、クラウドのメリットも享受できるかもしれないと期待しました。

そうなると、クラウド上でマスタデータを保管するとなるとセキュリティは大丈夫なのか。約150床分の入院患者様のデータはどうするのか。急患にも対応できるのかなど、さまざまな疑問が湧いてきましたので、詳しく説明を聞いてみることにしました。

葛西昌医会病院に設置されているアプライアンス(NOBORI-CUBE)

【選定要件】旧システムからのスムーズな移行が新システム選定のポイント

導入するPACSを選定したときの要件を教えてください。

導入するPACSを選定する上で最も重要視したのは、旧システムのサポートが切れるまでに「(1)予定通り新システムを稼働できること」と「(2)旧システムと操作性を変えない」という2つのポイントでした。

また、機能面では「(3)大量の画像を迅速に処理できること」と「(4)拡張性・柔軟性を備えていること」。運用面では、「 (5)運用の負荷がかからないこと」、「(6)24時間365日無停止で運用できること」、「(7)旧システムのデータを移行できること」などを要件に、採用するシステムを比較検討しました。各要件の詳細は、次の通りです。

【要件1】予定通り新システムを稼働できること

旧システムの保守切れが迫っていたので、予定の期日までに確実に移行できることを確約してもらえることは絶対条件でした。

【要件2】旧システムと操作性を変えないこと

システムの操作性や使い勝手が変わると、仮に一時的だとしてもドクターや放射線技師に負担がかかり、混乱を招く恐れがあります。現場への混乱や負担を招くことなく、システムをスムーズに移行するためにも、旧システムの操作性を踏襲できるシステムが理想的であり、重要な要件ポイントの1つだと考えました。

【要件3】大量の画像を迅速に処理できること

より正確な判断を下すために、解像度の高い画像を大量に表示したり、3Dのデータを回転して確認したりするケースが増えています。処理・表示が遅ければドクターや放射線技師のストレスにもなりますし、患者様を待たせることにもつながりかねません。新しいシステムを導入するのであれば、大量かつ大容量のデータを迅速に処理・表示できるシステムを選びたいと考えました。

【要件4】拡張性・柔軟性を備えていること

電子カルテシステムやオーダシステムなどとの柔軟な連携。そして、将来的に当院の状況や都合に合わせてシステムや設定を柔軟に変更・拡張できることも機能要件の1つでした。

【要件5】運用の負荷がかからないこと

院内に情報システムの専任担当者もおりますが、PACSに関しては専門的な知識も必要なので、放射線科もシステムの保守・運用・メンテナンスを担っていました。そのため運用にかかる負荷ができるだけかからないことも選定要件の1つでした。

【要件6】24時間365日無停止で運用できること

入院患者様や救急外来への対応も必要なので、24時間365日止まらないシステムであることも欠かせない要件でした。

【要件7】旧システムのデータを移行できること

技術的に難しい問題ではないのかもしれませんが、旧システムのデータがすべて移行されなければ業務が成立しませんので、データの確実な移行も必須要件でした。

【選定理由】初期導入コストがかからない点やセキュリティなども高く評価

NOBORIを選定した理由を教えてください。

NOBORIは必要な要件を満たしており、クラウドのメリットも最大限に享受できるという点を総合的に評価しました。主な採用のポイントは次の通りです。

【ポイント1】短期導入が可能

サーバを購入・構築したり、システムをインストールしたりする必要が不要で、専用で利用するインターネット回線を契約して、専用アプライアンス(NOBORI-CUBE)を設置すれば済みます。短期導入が可能であり、当院の要望通りの期日にも間に合わせることができると判断しました。

医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院
放射線科 清野 秀嘉 氏

【ポイント2】ビューワのレイアウトを自由自在に設計可能

ビューワ画面のレイアウトが簡単に設計・変更できるので、旧システムとほとんど変わらない画面が設計でき、利用者へ混乱や負荷をかけずに導入・運用ができると判断しました。

【ポイント3】初期導入などにかかる大きなコスト負担が不要

クラウドなので当たり前かもしれませんが、NOBORIはアプライアンスもレンタル、インターネット回線も安価な光回線で利用可能なので、初期導入コストや数年後に必要になるであろうリプレースやハードウェア入れ替えに必要なコスト負担を負わなくて済むという点も採用のポイントになりました。

【ポイント4】運用負荷がかからず、ノンストップ運用が可能

1台のアプライアンスに故障が発生しても、他のアプライアンスがシステムの稼働を代行し、故障したアプライアンスを取り替えれば済むという手軽さは大きな魅力で、可用性という点でも評価できるポイントでした。

また、アプライアンスの稼働状況は365日、監視センターからモニターしてもらっており、トラブルにつながりそうな挙動や通信エラーが発生した場合でも、連絡が来るので安心して利用できるという点も評価しました。

【ポイント5】スマートリトリーブ機能

機能面では、他の製品やサービスでは見られない「スマートリトリーブ機能」は、当然、重要な評価ポイントになりました。急患や入院患者様のデータに関しても、問題なくキャッシュデータを利用できると提案してもらえました。

 

●スマートリトリーブ機能

  • 診察時に参照が必要となる画像データは、あらかじめデータセンター(クラウド)から院内に設置されたアプライアンスへと自動的に(※1)ダウンロードされます(※2)。
  • 院内では、ダウンロードされたキャッシュ(一時保管)データを参照するので、迅速な処理・表示が可能です。
  • 参照が不要となったキャッシュデータは自動的に削除されるので、アプライアンスのデータ保管容量や病院で管理する画像データの総容量を気にすることなく利用できます。

(※1)ダウンロードされる画像データは、入院患者一覧、検査予約情報、検査実施情報など電子カルテやオーダ情報と連携して、過去の画像を含め自動的に抽出され、ダウンロードされます。病院ごとに、細かな条件設定(チューニング)も可能です。

(※2)病院で保管が必要な画像のマスタデータは、すべて安全なデータセンターで保管されます。アプライアンスへはデータのコピーがダウンロードされるので、院内の通常処理によってマスタデータが影響を受けることはありません。

【ポイント6】セキュリティ、災害対策

クラウド上にマスタデータが保管されるということで、セキュリティに関しては納得するまで確認しました。NOBORIは、通信やデータ保管が暗号化・分散化されており、また、堅牢性の高い東日本・西日本のデータセンターにおいて2重に管理されるなど、セキュリティや災害対策という点に関しては、院内でサーバを運用するよりも安全性が高いと考えました。

【ポイント7】データ移行作業

移行作業に関する実績や経験が豊富で、移行手順も明確に示してくれました。

【ポイント8】サポート体制

サポート体制が充実しており、対応も丁寧なので安心して使い続けることができると判断しました。

 

DICOMビューワのサンプル画面(葛西昌医会病院にてご利用の画面とは異なります)

【導入効果】必要なデータは漏れなくアプライアンスにキャッシュされる環境を実現

NOBORIに対する評価をお聞かせください。

スマートリトリーブ機能に関して、稼働前は正直なところどこまで機能するのか不安がなかったわけではありません。また、導入直後はどうしても余裕を持たせた設定にしてしまい、思ったようにデータがキャッシュされないケースもありました。

しかし、チューニングをして最適化を図ることで、現在は画像の表示に時間がかかるようなことはなくなりました。キャッシュのチューニングに関しては、まだ最適化の余地があるようなので、状況に応じて、随時、さらなる最適化を図っていきたいと考えています。

また、ビューワ画面の設計に関して、表示する画像数を増やしたり、診療科ごとに内容を変えるなど、旧システムであればメーカーに依頼して変更(カスタマイズ)しなければならなかったようなことが、院内で自由にできるようになりました。今後、活用の幅を広げていきたいと考えています。

その他、NOBORIを導入した効果などがあれば教えてください。

効果として一番に感じるのは、やはり運用負荷がかからないことです。具体的には、次のような場面での作業負荷やストレスから解放されました。

 

システムにおける保守運用環境 NOBORI導入後の保守運用環境
サーバの保守運用を、院内の情報システム部門にサポートしてもらう必要があった。 院内における保守やメンテナンスが不要なので、情報システム部門のサポートは不要になった。
情報システム部門では、電子カルテなどのシステム構築や運用に人的リソースを集中投下できるようになった。
システムが不安定になると、昼夜を問わず、放射線技師がシステムの再起動などを行っていた。 NOBORIを導入してからは、システムの運用に関する対応に煩わされることはなくなった。
アプリケーションやサーバOSのバージョンアップなどのため、システムを止めてアップデート作業をしなければならず、その準備や手配にも手間がかかっていた。 NOBORI CUBE内のシステムは自動で更新されるので、そのような作業からは解放され、常に最新のバージョンでシステムを運用できるようになった。

 

また、これまで感じていたディスク容量不足への不安などもなくなり、数年後に使うであろう余分なストレージへの先行投資なども不要になったので、投資の最適化も図れたと捉えています。

【拡張予定・アドバイス】クラウドのメリットを活かして、地域連携における活用にも期待

今後の拡張予定などはありますでしょうか。

セキュリティなど乗り越えなければならない課題もあるかと思いますが、クラウドのメリットを活かして、地域のクリニックなどとの施設間連携にも活用していければと考えています。

先輩ユーザとしてアドバイスなどがあればお聞かせください。

NOBORIの導入を進める際、電子カルテやオーダシステムなどさまざまな関係者への説明も不可欠です。その際、NOBORIの機能や仕組み、特に肝心のスマートリトリーブの機能に関してはしっかり理解してもらうことが重要だと思います。

また、既存画像データの移行は思いのほか時間がかかりました。データ量にもよるので一概には言えないかもしれませんが、その点は少し頭に入れておいた方がいいかもしれません。

実際に体験してみないとNOBORIの良さを実感しにくい部分もあると思います。医療関係者のみなさんには、ぜひ当院へ見学に来ていただき、NOBORIの良さを体感していただければと思います。

日本事務器への期待があればお聞かせください。

今回、NOBORIを紹介していただき日本事務器にはとても感謝しています。日本事務器は電子カルテなど医療分野に強いというイメージがあるので、画像診断に関する新たなソリューションの提供にも期待しています。

医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院 様

病院名 医療法人社団昌医会 葛西昌医会病院
代表者 理事長 吉田 生馬、院長 清水 昭
所在地 東京都江戸川区東葛西6-30-3
開設 1990年12月
病床数 144床
診療科 脳神経外科、循環器内科、消化器科、内科、神経内科、整形外科・リウマチ科、専門外来(皮膚科 糖尿病内科 呼吸器内科 心臓血管外科)、人間ドック(全身、脳、循環器、内科)
URL http://www.shoikai.com/

※ 取材日時 2016年1月
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。


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