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医療法人偕行会 偕行会城西病院 様

追いつめられた発想から電子カルテの強みを徹底追及!ベッド数の枠を超えて収益を増加させる活用方法

 

医療法人偕行会 偕行会城西病院 様(以下、偕行会城西病院 様)では、電子カルテシステム「MegaOak-MI・RA・Is」シリーズ(以下、MI・RA・Is)を導入。

偕行会城西病院様ロゴ

増収につながる重要な経営資源として電子カルテを活用しています。
医療法人偕行会 偕行会城西病院 院長 勢納 八郎 氏、事務長 秦野 貴充 氏 に話を伺いました。

お客様プロフィール

75年の歴史を有する名古屋市立城西病院(305床)を継承して、2011年4月から偕行会城西病院を発足。2013年4月からは「在宅療養支援病院」の指定を受け、24時間いつでも訪問診療に対応できる体制を維持している。
入院病床は120床となり、寝たきりで通院できない重症患者を中心に訪問診療に力を入れ、これまで長期入院を余儀なくされていた患者の在宅医療に対応している。
さらに、同一法人の名古屋共立病院など、各病院とも連携し、患者の状況に応じて速やかに入院・治療が受けられる体制を確立している。

偕行会城西病院様外観

(写真提供:医療法人偕行会 偕行会城西病院 様)

追い詰められた状況からのスタート、電子カルテの導入は必須

偕行会城西病院 様において、電子カルテを導入した経緯を教えてください。

当院は2011年4月、名古屋市より名古屋西部医療センター城西病院(旧名古屋市立城西病院)を譲り受け、偕行会城西病院として発足しました。市立病院の時代は電子カルテを導入していませんでしたが、新病院の発足にあたり、「現場」と「経営」を強化するために電子カルテを導入することは既定路線でした。

『「現場」と「経営」を強化する』という点について、詳しく教えてください。まずは、「現場の強化」についてお願いします。

電子カルテに限らず、「患者様のため」「地域のため」「スタッフのため」という視点が、あらゆる物事の判断基準になります。

偕行会城西病院 院長 勢納 八郎 氏

「電子カルテの導入は、新たな収益を生み出す重要な投資だと捉えています」(勢納氏)

「現場を強化」するというのは、別の言い方をすれば、煩雑なカルテ管理業務の効率化を図り、生産性を上げるという意味になります。これは、ペーパーレス化といった単純な話ではありません。医師や看護師が本来取り組むべき仕事である患者様の診察・治療・ケアに集中し、生産性を飛躍的に向上させる環境を実現するために、電子カルテは現場を強化する道具として、その活用方法を徹底的に追求しました。

また、院内外のシステムや施設と連携を図り、本当の意味でのチーム医療体制を確立することも、「現場の強化」の一環として捉えています。電子カルテを活用せず、正確かつ効率的、そして安全に情報を共有することはできないと考えています。

では「経営の強化」について、詳細の説明をお願いします。

病院は安定的かつ継続的な経営基盤を確立できなければ、優秀なスタッフを確保し、高度な医療サービスを提供し続けることはできません。そのため経営を黒字化し経営基盤を安定させることは、当院に限らず、どこの病院経営にも共通する重要な課題です。

ところが名古屋市立城西病院を継承した際、病院の経営基盤であるベッド数を305床から半分以下の120床にまで削減され、どこからも敬遠される状況でした。また、療養型の病院としては建物、設備に大きな投資を行い、これらの償却も経営を圧迫し、経営上は非常に厳しい状況からのスタートとなりました。

そのため、電子カルテの強みを徹底的に追求し、これまで誰も試みなかったことに取り組むことで、黒字化を実現しようと考え、「システム間の連携を徹底的に追求すること」、「人件費の高い医師の生産性を大幅に向上させるための運用の工夫」、「システムはカスタマイズすることを前提とせず、使い方を変え長所を活かす運用にこだわること」など、システムに対しての取り組む方向性をしっかりと定めました。

具体的には、減少したベッドを補う在宅医療といった、新たな分野で収益を生み出すため電子カルテを有効に活用することを日本事務器と共に取り組みました。そうした取り組みにより、今では電子カルテ端末を持ちだして診療を行うことが訪問診療の質を向上させ、診療数も大幅に増やすことが実現されました。

また、透析システム(JMS社 ERGOTRI)との連携を図り、全自動化することで従来の人員数の半数で透析治療を行うことも実現することができています。

さらに、電子カルテへの入力は医師が行わず、クラーク入力で対応することで医師としての本来の仕事に時間を振り向けることで生産性を大きくアップさせるようにしました。

電子カルテ選定の要件として

電子カルテの選定要件を教えてください。

「システムの信頼性」「機能・性能・コストのバランス」「サポート体制」を重点ポイントに、導入する電子カルテを選定しました。それぞれ詳細は、次の通りです。

(1)システムの信頼性
電子カルテを利用するようになれば、逆に、電子カルテなしではあらゆる業務が立ち行かなくなります。信頼性の高い「止まらないシステム」であることは、欠かすことのできない必須要件でした。

また、当院は、24時間365日体制で往診や訪問看護を行う「在宅療養支援病院」の指定を受けていることもあり、訪問診療時のモバイル環境でも、安定的に利用できることも重要なポイントでした。

偕行会城西病院 事務長 秦野 貴充 氏

「信頼性、バランス、機能連携、サポート体制を要件に、導入する電子カルテを選定しました」

(秦野氏)

(2)機能・性能・コストのバランス
大は小を兼ねるという発想で電子カルテを導入すれば、必要とされない機能も取り込まれ、結果的にその分のコストが無駄な投資となることもあります。かといって、コストばかり目を奪われれば、生産性を低下させてしまうことにもなりかねません。

そのため、機能、性能、コストのバランスを見極め、当院にとって最適なシステムであるかどうか、適切な効果を導き出すことができるシステムであるかどうかを、見極める必要がありました。

(3)サポート体制
電子カルテや透析システムは、導入するだけでは効果を期待できません。単に導入するだけであれば、操作に振り回され、患者様に向き合う時間を奪い、かえって医師や看護師の負担を増大させることになりかねない、諸刃の剣のような存在です。

電子カルテの導入サポートをお願いするベンダーは当院にとって厳しい道程を共に歩むビジネスパートナーと考えています。

電子カルテは止まらないことに価値がある

MI・RA・Is を採用した理由を教えてください。

複数のベンダーからの提案を受け、先ほど話をした要件をベースに比較検討しました。MI・RA・Is は、各要件を満たしていたのはもちろんですが、システムの信頼性を高く評価しました。

名古屋共立病院では、これまで約8年間MI・RA・Is を利用してきましたが、大きなトラブルは一度も発生したことがありません。その実績は何物にも代えがたく、「止まらない」ということに大きな価値があると考えました。

さらに今回の電子カルテ構築では、法人本部システム管理部の意向もあり、データベースのDDR(※ Dynamic Data Replication)化、インターフェースサーバの仮想化、ネットワークの二重化、遠隔地へのデータバックアップなどを実現することで、信頼性の高いシステム構築をすることができました。

また、MI・RA・Is 同士であれば、急性期を担当する名古屋共立病院と療養型病院の当院でスムーズな情報共有が可能になり、システムの連携も容易だという点も大きなアドバンテージであったことは間違いありません。しかし、理解していただきたいのは、単純に同じシステムだから、同じベンダーだから採用したというわけではないということです。実際、同法人内の一部のクリニックにおいては、MI・RA・Is ではオーバースペックだとの判断から、別の電子カルテを利用しています。

電子カルテサンプル画面

さらに、日本事務器のサポートも重要な選定ポイントになりました。単に電子カルテを導入しても効果を得ることはできませんので、「効果を発揮するための工夫」が必要になります。日本事務器は、当院の要望をくみ取り、理想とする使い方を実現するために最大限対応しようとしてくれる当院のパートナーであり、何よりも厳しい要求を実現するため共に歩んでくれるMUST パートナーと考えています。透析管理システムとMI・RA・Is の連携に関しても、積極的に取り組んでくれました。

透析システムサンプル画面

※ Dynamic Data Replication:同一ストレージ内でレプリケーションを行い任意の時点で切り離すことができ、システム障害時、早期にシステムを復旧できる仕組み。

チーム医療の基盤となる情報共有環境を確立

「効果を発揮するための工夫」とは、実際、どのようなことをしているのでしょうか。

たとえば、医師が診察中、電子カルテの操作にわずらわされないよう、医師事務作業補助者によるクラーク代行入力を活用しています。その際、PC1台に2組のキーボードとマウスを接続し、入力されたデータを医師が直接直したり、情報を追加できるようにしています。

この結果、医師は患者様に対する対応に集中できるようになり、診療の質を高めながら、一人当たりの診察時間が大幅に短縮され、より多くの患者様を診ることができるようになりました。

診察中、クラーク代行入力をする様子

診察中、クラーク代行入力をする様子

 

回診や訪問診療の際にもクラーク代行を活用しています。特に訪問診療の際に大きな成果を発揮しており、紙カルテを使っていたころは1日かけても十数名しか対応できなかったのが、電子カルテにしてから3時間で最大で20名ほどの患者様を診ることができるようになりました。現時点で60人の訪問診療を行っていますが、目標の200人の訪問診療を達成すれば院内の120床に対して、院外に200床のベッドを設けているのと同じ計算になり、増々重要な収益源となります。今後はさらに多くの患者様に、訪問診療を実施できるようにしていきたいと考えています。

また、透析システムとMI・RA・Is を連携させたことで、透析管理システムのコンソール画面から入力された情報が電子カルテに渡され自動的にオーダー情報が必要な部門に伝わります。さらに会計まで情報が伝わり、全自動化されました。

回診の際に、クラーク代行入力をする様子

回診の際に、クラーク代行入力をする様子

従来は2つのシステムを操作しながら作業を進めなければならなかったのですが、作業環境が一元化されたため、透析の業務に必要な人的リソースを半減することが実現でき、大幅なコスト削減とリソースの有効活用に結びついています。

これは以前、医療法人偕行会名港共立クリニックという国内最大級の透析クリニックの開院時に日本事務器、JMS 様と協力して実現した事例ですが、名港共立クリニックにおいてもスタッフ人員を従来の半分で回すことができました。

 

当院は、長期入院も可能な「療養型病院」として特化し、急性期医療はグループ内の名古屋共立病院で、回復期医療は偕行会リハビリテーション病院で、在宅医療は偕行会グループの在宅医療事業部がサポートする地域医療ネットワークを実現しています。その連携をスムーズにするためには、病院間の電子カルテを連携する仕組みが不可欠です。

電子カルテの情報連携を図るため、医療法人偕行会として患者様のID も一元化されています。

今回、グループ内で急性期医療を担当する名古屋共立病院と療養型病院である当院で、カルテ情報を相互に閲覧できるようになりました。

偕行会城西病院 様の透析ルームの様子

偕行会城西病院 様の透析ルームの様子(透析ベッド数:50床)
(写真提供:医療法人偕行会 偕行会城西病院 様)

急性期の治療から回復期・慢性期の治療へ移るために転院される患者様の負担を軽減できるようになったと同時に、迅速かつ質の高い医療サービスを提供できるようになりました。

カルテ連携画面サンプル

これらの結果、院内はもちろんのこと、院外の施設とも連携を図り、本当の意味でのチーム医療体制を確立する環境を整備できました。

今後の展開と日本事務器への期待

今後の目標などがあれば教えてください。

電子カルテの長所を引き出し短所を出さないような運用の工夫で、さらに生産性を高めることが、今後の目標です。

それが実現されれば、安定した財務基盤のもと、継続的に高度かつ先進的な医療サービスを提供する体制を確立できるとともに、病院経営の新たなビジネスモデルとして、国内はもとより東南アジアなどの医療機関へと展開していきたいと考えています。

また、今回の電子カルテ活用の工夫は他の病院でも大いに活用できるものだと確信しています。その証拠に透析システムとの連携は医療法人偕行会 名港共立クリニックでの実現を機に全国的な広がりを見せています。

偕行会城西病院 様のナースステーションの様子

偕行会城西病院 様のナースステーションの様子

日本事務器にはこれらの活用例を全国に広めてもらい、他の病院でもっと電子カルテの効果的な活用が進むよう期待しています。また、他院での活用事例を当院でも参考にしさらに生産性を高めていきたいと考えています。

最後に日本事務器への評価をお聞かせください。

当院からのさまざまな要望へ、積極的に対応していただきとても感謝しております。ただし、まだまだ要望は尽きません。先ほども話をしました通り、当院の目標はITを活用して生産性を何倍にも向上させることです。技術的に簡単ではないことも承知していますが、日本事務器であれば、それに挑戦できる資質と技術力を兼ね備えていると思います。当院のビジネスパートナーとして電子カルテの広がりと共にさらに発展されることを期待しています。

医療法人偕行会 偕行会城西病院 様

所在地 名古屋市中村区北畑町四丁目1番地
開設 2011年4月
診療科 内科 腎臓内科 人工透析内科 糖尿病内科 整形外科 眼科 透析外来
病床数 一般 120床、透析ベッド数 50床
URL http://www.kaikou.or.jp/jyousai/

※ 取材日時 2013年12月
※ 記載の担当部署は、取材時の組織名です。




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